最近、親の動きがぎこちない…それ、柔軟性の低下かも?

立ち上がりや歩き方が“前よりも固く”なっていませんか?

「椅子から立つときに手をつくようになった」
「玄関で靴を履くのに時間がかかる」
「ちょっとした段差でバランスを崩しそうになる」

それ、実は柔軟性の低下が関係しているかもしれません。

「体が硬い=年のせい」ではなく、対策もできる

もちろん年齢とともに体は硬くなりがちですが、暮らしの中で少し体を動かすだけで、意外と変わることも多いんです。

無理なストレッチや運動は不要。
ちょっとした「動かしやすくなる工夫」を一緒に始めてみませんか?

ストレッチの前に!親の柔軟性をチェックする簡単な方法

① 足の爪を切るのがつらそうになってきた?

「最近、爪を切るとき前にかがめないみたい…」
そんな変化は、股関節や腰まわりの柔軟性の低下かもしれません。

② 靴下をはくとき、座って足を上げられる?

イスに座ったまま、足を片方持ち上げて靴下をはけるかどうかもひとつの目安。
腰やハムストリングが硬くなってくると、難しくなってきます。

③ 背中で手を組める?服の背中のファスナーがつらい?

肩まわり・肩甲骨の可動域をチェックするには、「背中で手を組めるか」が目安になります。

これらの動きが「最近つらそうだな…」と感じたら、ストレッチを生活の中に少し取り入れてみましょう。

家で無理なくできる!70〜80代におすすめのストレッチ

① イスに座ってできる前屈ストレッチ

  • イスに浅く座り、両足を肩幅に開く
  • 息を吐きながら、ゆっくり前に体を倒す(手は床に向けて)
  • 背中を丸めず、視線は斜め前に

※腰に負担がかからないようにゆっくり。
「できる範囲で、気持ちいいところまで」が鉄則です。

② タオルを使った肩回しストレッチ

  • タオルの両端を持ち、頭の上にあげる
  • そこから腕をゆっくり後ろに回して、肩を開くように意識
  • 無理に回さず、痛みがない範囲でゆっくり行う

タオルを使うことで、肩が上がりにくい人でも取り組みやすくなります。

③ ベッドの上で足首ぐるぐるストレッチ

  • 仰向けに寝たまま、片足ずつ足首をくるくる回す
  • 左右10回ずつ、ゆっくりと動かす

血流が良くなり、寝起きの体も動きやすくなります。
寝る前や朝起きたときに「ついでにできる」ストレッチとしておすすめです。

ストレッチを「続けたくなる」声かけのコツ

「健康のために」ではなく「気持ちよかった」で終わらせる

「体にいいからやった方がいいよ」よりも、
「今日のストレッチ、ちょっと気持ちよかったね」と感覚にフォーカスした声かけの方が続きやすくなります。

「さっきのストレッチ、やってるとき姿勢よかったね」と褒める

動作の結果よりも、「取り組んだこと」「姿勢」など行動の過程をほめるのが効果的。
「やってよかった」という成功体験をつくってあげるのがポイントです。

「一緒にやってみようか?」と共感ベースで誘う

「体操しなよ」ではなく、「私も最近体固くて…」と自分の話を出すことで、
親が“やらされてる感”を持たずに自然に参加しやすくなります。

まとめ|ちょっと体を伸ばすだけで、親の日常は変わる

私の母も、最初は「ストレッチなんてめんどくさい」と言っていましたが、
一緒にタオルを使って肩を回していたら、「これ、けっこう気持ちいいね」と笑っていました。

大切なのは、続けることより、まず“動くきっかけ”を作ること。
気持ちよく伸びるだけでも、親の毎日は少しずつ変わっていきます。

無理せず、親のペースに合わせて。
あなたの声かけが、きっと親の体と心をほぐす第一歩になります。

投稿者 taro

こんにちは、理学療法士のSHOです。 10年以上、病院や整形外科クリニックで高齢者のリハビリ・介護予防に携わってきました。 このブログでは、「まだ介護は早いけど、親の体力が心配…」という方に向けて、家でできるシンプルな運動や生活習慣の工夫をご紹介しています。 私自身も、年々弱っていく親の姿に直面し、「何かできることはないか?」と模索する子世代の1人です。 医療現場の知見を活かしながら、「ムリなく」「楽しく」親世代の体づくりを支えるアイデアを発信していきます。 💡 難しい医学用語はなるべく使わず、親に“やってみようかな”と思ってもらえるアプローチを心がけています。 運営者略歴 国家資格:理学療法士 臨床経験:総合病院・整形外科クリニックで延べ10年以上 専門領域:高齢者の運動療法/転倒予防/姿勢改善/慢性痛ケア プライベート:1児の父。休日は家族と公園でのんびりするのが癒し。 「親の体、今がカギ!」 家族みんなが元気でいられる時間を、少しでも長く延ばせたら嬉しいです。

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