親が運動してくれない…そんなとき、どうすれば?

無理に言っても、親の気持ちは動かない

「最近、親の体力が落ちてきた気がする」「健康のためにも、運動してほしい」――そんな思いから、「ちょっと体を動かしたら?」と声をかけても…

「もう年だからいいよ」
「めんどくさい」
「今はテレビ見てるから後で」

——こんな反応に、がっかりした経験はありませんか?

「やらせる」ではなく、「やってみようかな」と思わせる関わり方が大切

実は、親が動いてくれないのは「運動が嫌だから」ではなく、「やる気が出ない」「押しつけられたくない」という心理が働いていることが多いです。だからこそ、ちょっとした声のかけ方を変えるだけで、親の気持ちが動き出すことがあります。

親のやる気を引き出す!5つの声かけの工夫

① 「健康のため」ではなく「楽しそうだから」で誘う

×「運動しないと体が弱るよ」
○「最近◯◯さんが体操始めて楽しそうだったよ」

「◯◯しなきゃ」はプレッシャーになります。一方、「ちょっとやってみたら気持ちよさそう」「最近人気らしいよ」といったライトな印象の声かけは受け入れられやすくなります。

② 「一緒にやってみる?」と寄り添う姿勢を見せる

「私も運動不足だから、一緒にやろうか?」

“あなたのためにやって”というより、“一緒にやってみたい”というスタンスで誘うと、親も気を楽にして動きやすくなります。

③ 昔できていたことを思い出させる

「お母さん、前はよく散歩してたよね」
「昔一緒に行った道、久しぶりに歩いてみない?」

「昔はできていたこと」は、親の中にある成功体験の記憶。そこに触れることで、「またやってみようかな」と思うきっかけに。

④ 小さな変化や努力をほめる

「今日はいつもより動いてたね!」
「姿勢よくなってきた気がするよ」

人は褒められると、その行動を続けたくなります。意識的に“行動そのもの”ではなく“変化”を褒めると自然にやる気が湧きやすくなります。

⑤ 第三者を話題にしてさりげなく興味を引く

「◯◯さんのお母さん、ラジオ体操続けてるらしいよ」
「テレビで“ゆる体操”って流行ってるみたい」

直接的な言い方を避けることで、防御反応を減らして“自分ごと化”させる効果があります。雑談風に話すのがコツです。

まずは“きっかけ”をつくるところから始めよう

親にとって、「運動を始める」というのは心理的ハードルが高いこと。大切なのは、“行動させる”のではなく“行動したくなる空気”をつくることです。あなたのたった一言で、親の気持ちが少しずつ変わるかもしれません。

まとめ|親が前向きになる言葉はあなたの中にある

私もかつては「運動しないとダメだよ」と言っては反発される、の繰り返しでした。でも、ふと「私も最近運動不足なんだよね」とこぼしたら、「じゃあ一緒にやってみようか」と予想外の反応が返ってきました。

親のやる気は、意外とほんの少しのきっかけで動き出すもの。大事なのは、あなたの“思いやりのある言葉”です。無理せず、やさしく、親のやる気を引き出していきましょう。

投稿者 taro

こんにちは、理学療法士のSHOです。 10年以上、病院や整形外科クリニックで高齢者のリハビリ・介護予防に携わってきました。 このブログでは、「まだ介護は早いけど、親の体力が心配…」という方に向けて、家でできるシンプルな運動や生活習慣の工夫をご紹介しています。 私自身も、年々弱っていく親の姿に直面し、「何かできることはないか?」と模索する子世代の1人です。 医療現場の知見を活かしながら、「ムリなく」「楽しく」親世代の体づくりを支えるアイデアを発信していきます。 💡 難しい医学用語はなるべく使わず、親に“やってみようかな”と思ってもらえるアプローチを心がけています。 運営者略歴 国家資格:理学療法士 臨床経験:総合病院・整形外科クリニックで延べ10年以上 専門領域:高齢者の運動療法/転倒予防/姿勢改善/慢性痛ケア プライベート:1児の父。休日は家族と公園でのんびりするのが癒し。 「親の体、今がカギ!」 家族みんなが元気でいられる時間を、少しでも長く延ばせたら嬉しいです。

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